細胞の複雑な代謝機能は様々な蛋白質が生体膜を隔てて特異的に運ばれる事で維持される。さまざまな膜系で異なる蛋白質を膜透過させる分子装置、すなわちトランスロコンが構築されているが、これらは、生じた進化的起源が異なり、したがって、その分子組成も分子メカニズムも異なっている。 われわれは、植物葉緑体のトランスロコンの因子にタグ配列を付加させたトランスジェニック植物を作成し、その精製標品を用いた葉緑体トランスロコンの構造と機能に迫りたいと考えている。これまでの結果から、高度に精製できる事が分かった。今後は、さらに収量を上げるために、スケールアップと精製効率の向上を進めていく必要がある。
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