研究課題
溶液 NMR による蛋白質の立体構造解析には分子量上限が存在し、分子量 10 万以上の蛋白質で構造決定に成功した例は無い。そこで本研究では分子量 10 万以上の蛋白質の立体構造決定を可能にする新規 NMR 構造解析法の開発を目的とする。具体的には、高感度 13C 直接観測法および 13C 観測 1H 常磁性緩和促進法を開発し、固体 NMR で成功している 13C の帰属法や構造計算法を溶液 NMR 用に最適化する。最終的には、開発した手法で分子量約 11 万の「花成ホルモン/受容体/転写因子/DNA」4者複合体の構造解析を行い、花成ホルモンによる花成誘導機構の解明を目指す。平成26年度は、(1)高感度 13C 直接観測法の開発と、(2)13C 観測 1H 常磁性緩和促進法、13C 帰属法、構造計算法の開発を行った。また、(3)花成ホルモン受容体の構造解析にも取り組んだ。具体的には、1回の測定で2回データを取り込む Double - acquisition 法を一般化し、13C 直接観測と組み合わせ、信号強度を2~4倍に増強することに成功した。また、常磁性緩和促進(PRE)効果を用いる蛋白質の立体構造決定法の開発に成功した。さらに、花成ホルモン受容体の構造解析においては、フッ素標識により蛋白質間相互作用情報や構造情報を得ることに成功した。
2: おおむね順調に進展している
本研究は平成26年度より平成27年度まで実施する。平成26年度はおおむね計画どおりに研究が進捗している。
本研究は平成26年度より平成27年度まで実施する。平成26年度はおおむね計画どおりに研究が進捗したため、平成27年度は当初の計画どおり研究を進める。
当初予定していた講師の招聘が、次年度に変更となったため。
講師招聘のための旅費および謝金に充てる。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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