タンパク質のNMR解析にとってシグナル帰属は、さまざまな解析の基礎となる重要な工程だが、対象タンパク質や測定環境によっては困難な工程でもある。このような場合アミノ酸選択的安定同位体標識法が有用だが、標識スクランブルが抑制された発現系以外では、スクランブルに起因するアミノ酸の混同が問題となる。本研究では、スクランブルに起因する安定同位体標識率の変化を未知変数として推定することにより、この問題の克服を目指した。このために必要となる、広いパラメータ空間を効率的に探索する方法を開発し、ノイズの多いスペクトルの解析などに応用が可能となった。
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