マルチ銅オキシダーゼは基質から引き抜いた電子を三核銅部位に分子内長距離輸送し、共基質である酸素を4電子還元し水を生成する。本研究ではこの反応を逆向きに回転させることを目的とし、変異導入によってタイプ1銅の酸化還元電位を正電位シフトさせる戦略を立てた。CueOのタイプ1銅配位子及びその外圏に種々の改変を施し、タイプ1銅の酸化還元電位を正電位シフトさせることに成功し、様々の電極材料を用いて直接電気化学測定を行った。また、酸化還元電位が元来高いビリルビンオキシダーゼについて電気化学測定を行ったが、酸素の発生を示唆する電気化学応答は得られなかった。別の酵素について同様の検討を継続中である。
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