概日リズムの発振には、時計遺伝子の転写・翻訳が不可欠とされてきたが、近年これらの過程に不依存なリズムが報告されている。本研究ではこのようなリズムの発振機構と、概日リズムと細胞内レドックス制御の関連の解明を目指した。まず赤血球前駆細胞株を除核細胞に分化させ、抗酸化蛋白質ペルオキシレドキシンのウェスタン解析を行ったが、ヒト赤血球で報告された酸化リズムはまだ再現できていない。またレドックス制御関連化合物ライブラリーのスクリーニングを行ったところ、概日リズムの位相を制御する化合物が得られた。この化合物の作用機構の解明を通じて、概日時計機構におけるレドックス制御の意義が明らかになることが期待される。
|