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2014 年度 実施状況報告書

新規クロマチン修飾の制御因子同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 26650037
研究機関九州大学

研究代表者

束田 裕一  九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 教授 (90444801)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード遺伝子の情報発現と複製
研究実績の概要

ゲノムの持つ遺伝情報の発現は、“エピジェネティクス”と呼ばれるクロマチンの化学的・構造的な修飾による制御を受ける。研究代表者らは、新規のヒストン翻訳後修飾として発見されたクロトニル化修飾が受精卵に豊富に存在していることを見出した(未発表データ)。しかし、クロトニル化修飾を触媒する酵素は同定されていない。本研究では、クロトニル化修飾の触媒酵素を同定し、その機能解析により修飾の機能および生物学的意義を明らかにすることを目的としている。
当該年度は、以下の研究を進めた。
1. 酵素活性検出系の確立について、以下のように検出系の構築を行った。クロトニル化は、アセチル基より炭素鎖が二つ多いクロトニル基がヒストンのリジン残基に付加するが、クロトニル基のドナーであるクロトニルCoAからCoAが生成することが推測されるため、CoAをNADHに変換しNADHを検出することでクロトニル基転移酵素活性を検出する系を構築した。
2. クロマトグラフィーによる酵素の精製について、以下のように進めた。まずアフリカツメガエル卵のタンパク質画分を調製した。精製の原材料にアフリカツメガエル卵のタンパク質画分を用いるのは、受精卵でクロトニル化修飾が豊富に検出されること、およびタンパク質画分調製にかかる時間とコストの削減を図るためである。次に調製したタンパク質画分を用いて酵素活性を指標にクロトニル基転移酵素のクロマトグラフィーによる精製を開始し、現在精製は進行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度の研究目的は、新規のヒストン修飾であるクロトニル化修飾について、クロトニル基転移酵素の同定であり、具体的には、1. 酵素活性検出系の確立、2. クロマトグラフィーによる精製、3. 質量分析による酵素活性を有するタンパク質の同定、4. クロトニル基転移酵素ファミリーの同定である。
上記研究目的達成のための研究計画において、現在は2. クロマトグラフィーによる精製の段階であることから、当初研究目的の達成度はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

本研究課題の今後の推進方策として、H27年度の研究実施計画はクロトニル基転移酵素の分子・細胞・個体レベルの解析とし、以下のように研究を遂行する。まず、H26年度で遅れている質量分析による酵素活性を有するタンパク質の同定を達成する。次にクロトニル基転移酵素の分子・細胞レベルでの解析を計画通りに遂行する。個体レベルの解析については、従来のES細胞における相同組換えを利用した遺伝子組換えによるノックアウトマウス作製ではなく、新しいゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9システムを用いることで、H26年度の遅れを補い研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

ラジオ・アイソトープ実験施設の3月分利用料が翌年度に請求されるため。

次年度使用額の使用計画

上記ラジオ・アイソトープ実験施設の利用料に使用

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公開日: 2016-05-27  

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