研究成果の概要 |
VoV1 は、ATPを分解してプロトンを輸送する回転分子である。ATP1分子の分解で輸送されるプロトンの数 (proton/ATP ratio, P/A 比)を求めるため、極微小体積のチャンバーを利用し、1分子 VoV1 のプロトン輸送活性を測定した。予想より低いP/A 比が見積もられたが、プロトンのリークが原因と考えられる。そこで、脂質分子にpH指示薬 を結合させたリポソームを用いてプロトン輸送活性を測定し、P/A 比は 3-4 の間になった。初めて 実験的に求められた VoV1 の P/A 比であり、この結果、V1 と Vo 間のエネルギー共役が tight であることが実験的に示された。
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