研究課題
PINK1/Parkinによるミトコンドリアの品質管理はホットテーマであり、近年、膨大な数の論文が報告されている。しかしながら、従来研究は「関連因子や既知構成因子の解析を積み重ねることでbottom-upに全体像を理解する」流れである。申請者は全く別なアプローチとして、最小限要素を用いて試験管内でPINK1やParkinによるミトコンドリア品質管理を再構築し、全体像を俯瞰してから個々の必須・制御因子について解析する実験計画を提案した。つまり本研究は、パーキンソン病(PD)の発症に関与するミトコンドリア品質管理機構を試験管内で再構成し、その系を人為的に改変・再観測することでPD発症の制御機構に迫ろうとするものである。このような、ミトコンドリア品質管理システムをまるごと再構成しようとする研究は前例がない。その為の準備状況として、まず大腸菌より GST-Parkin, GST-deltaTMD-PINK1, His-ユビキチンなど、一連の必須 recombinant proteins を精製した。さらに、これらが functional であることを確認する為に、試験管内で Mg/ATP 存在下で GST-deltaTMD-PINK1とGST-Parkin、His-ユビキチンを反応させたところ、試験管内でGST-deltaTMD-PINK1によってGST-Parkin や His-ユビキチンがリン酸化されることを確認した
2: おおむね順調に進展している
既に大腸菌より GST-Parkin, GST-deltaTMD-PINK1, His-ユビキチンなど、一連の必須 recombinant proteins を精製し、in vitro phosphorylation reaction を通じて、これらが functional であることを確認した。このように、再構成に必須な tool 因子の調製は順調に進んでいる。
上記のように、再構成に必須な PINK1, Parkin, Ubiquitin の調製は順調に進んでいる。更に、E1, E2 をも加えて反応を進めることで、研究計画にあるような「PINK1/Parkinによるミトコンドリア品質管理の試験管内再構成」の確立を目指す。
すべて 2014 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
Nature
巻: 510 ページ: 162 - 166
doi:10.1038/nature13392
実験医学
巻: 32 ページ: 2616 - 2620
細胞工学
巻: 33 ページ: 974-976
http://www.igakuken.or.jp/project/detail/ubiquitin.html