研究課題/領域番号 |
26650043
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴田 穣 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20300832)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 顕微分光 / 励起スペクトル |
研究実績の概要 |
励起スペクトル測定に用いる白色光発生のため、フォトニック結晶ファイバを購入し、既設のフェムト秒チタンサファイアレーザーを導入して白色光発生のための光学系を構築した。非常に高い位置決め精度の光学調整が必要なため、あらたに高精度ファイバーアライメントシステムを購入し、システムに組み込んだ。構築した白色光発生系により、必要なスペクトル幅、強度を有する白色光が発生されることを確認した。 また、SF11のプリズム、スリットなどを組み合わせた分光用の光路を構築し、発生した白色光を波長ごとに分離して顕微鏡対物レンズへ導入する光学系を構築した。励起光と蛍光を分離するダイクロイックミラーを購入して対物レンズへ励起光を導入する光路を構築し、実際にサンプル上で励起光が波長ごとに分離して線上に集光されることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
建物の改修工事が、当初予定していたよりも長引いたため、2014年度8月まで退避スペースであるプレハブ棟での実験を余儀なくされた。改修後の建物への移設作業などもあり、年度の前半は予定よりも研究の進展は遅れ気味であった。移設前に、新たに購入する物品の選定を済ませていたため、移設後には順調に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに達成した白色光発生の光学系、分光システム、顕微鏡システム、を統合して、今年度前半までに室温での動作実証を行う。それとともに、装置の完成のために新たに別の資金で購入予定のCCDカメラによる検出器を組み込み、顕微鏡システムとして稼働させる。簡単な蛍光ビーズをガラス表面にスピンコートした試料を用いて、励起スペクトルの測定と顕微画像の取得を同時に行うことを目指す。こうした実験により、波長分解能、空間分解能、の評価を行い理論的に予想される値を実現するよう光学系を最適化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度の半ば頃、使用している対物レンズが損傷している疑いのある実験結果が得られ、新たな対物レンズの購入を計画した。その場合、2014年度配分額だけでは不足する可能性があったため、急き年度の半ばで次年度配分額を前倒し支払請求した。幸い、対物レンズは実際には損傷していないことが分かったため、前倒しで支給された額は残ったため、おおきな次年度使用額が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の予定のとおり、今年度にピエゾステージなどを購入して、配分額を使用する。
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