励起スペクトル測定を実現するために導入したフォトニック結晶ファイバおよびSF11ガラス製のプリズム、スリットを組み合わせた光学系を構築し、サンプル上で線上に集光する光学システムの最適化を行った。種々の検討の結果、励起スペクトル測定に必要となる、幅が広くフラットなスペクトルを持つ出力光を得るためには、フォトニック結晶ファイバへのフェムト秒レーザー光の入射および出射部分には対物レンズを用いる方式が最良であることが分かった。本助成金により対物レンズを購入し、システムに組み込んだ。さらに、超音波アクチュエータZ軸ステージを購入し、サンプルと対物レンズの焦点を自動調節するためのシステムを構築した。LabViewによりプログラムを構築し、コンピュータから制御可能となるようにした。同時に、板バネを用いた構造を持つXYステージを設計し、金属工作センターと協力して製作した。その結果、X、Y方向へのサンプル位置の粗動調節を高い精度で行うことが可能となった。ナイルブルー溶液を用いた試験的な実験により、構築しているシステムを用いて励起スペクトル測定が可能であることを実証した。
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