• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

細胞と同等の成分を持つ人工細胞の高機能化による生命構成の必要条件解明

研究課題

研究課題/領域番号 26650044
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

藤原 慶  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (20580989)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード人工細胞 / 細胞再構成 / 合成生物学 / 細胞内環境 / 無細胞転写翻訳
研究実績の概要

本研究では人工細胞を生細胞に近づけその性質を解析することで、生命を構成するために必要な条件を明らかにするための基盤を構築することを目的としている。この試みを通し、H27年度までにはこれまでに、細胞分裂面を決定するタンパク質の局在波であるMin波の人工細胞内創発条件を見出した。本年度は①生細胞と同様に多種多様の膜タンパク質を保持した人工細胞の構築と、②ゲノムDNAを機能的に内包する人工細胞の構築を行った。
①に関しては、膜タンパク質に融合させGFP蛍光を指標に、大腸菌から抽出した細胞膜成分が人工細胞に融合したことを確認した。また、細胞膜成分を融合により獲得し、かつ細胞抽出液を含む人工細胞において、DNAにコードされたmCherryタンパク質を発現可能であることを示した。さらに、この研究の最中に、分子の漏出が少なく、非常に簡便である新規なリポソーム融合法を開発した。
②に関しては、バクテリアサイズのゲノムを内包した人工細胞の創成に挑戦した。これまでに、バクテリアゲノムを試験管内で転写翻訳する系を立ち上げていたため、それを活用し、同様に人工細胞内でも転写翻訳が生じることを解析した。結果、翻訳に関しては検出閾値以下であったが、mRNAは定量でき、内包したゲノムが機能的に転写されていることは確認された。これまでの研究において、100kbpを超えるサイズのDNAは、多価カチオンや脂質膜によってマクロな構造が変化することが報告されていたが、今回4Mbpであるバクテリアにおいても同様の現象を観察することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Biochemical preparation of cell extract for cell-free protein synthesis without physical disruption2016

    • 著者名/発表者名
      K. Fujiwara, N. Doi
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 11 ページ: e0154614

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0154614

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ゲノムDNAを鋳型にした無細胞タンパク質合成2016

    • 著者名/発表者名
      澤村経人、土居信英、藤原慶
    • 学会等名
      第39回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2016-12-01
  • [学会発表] 大腸菌の内膜タンパク質群を保持する人工細胞の創成2016

    • 著者名/発表者名
      上口裕介、土居信英、藤原慶
    • 学会等名
      「細胞を創る」研究会9.0
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都,新宿区)
    • 年月日
      2016-11-21 – 2016-11-22
  • [学会発表] ゲノムDNAを転写翻訳する人工細胞創成への挑戦2016

    • 著者名/発表者名
      澤村経人、出山達貴、土居信英、藤原慶
    • 学会等名
      「細胞を創る」研究会9.0
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都,新宿区)
    • 年月日
      2016-11-21 – 2016-11-22

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi