一分子蛍光分光法は、タンパク質の運動を観察し機能を理解するための強力な手法である。しかし、従来の手法では、ミリ秒よりも短い時間領域で起きる現象の検出は不可能だった。本研究では、我々がこれまでに開発してきたラインフォーカス型共焦点顕微鏡にハイブリッド光検出器を組み合わせることで、一分子が発する蛍光信号を10マイクロ秒の時間分解能で10ミリ秒の長さにわたって一分子検出することを可能にした。さらに、開発した装置を使ってBdpAと呼ばれるタンパク質についての高速測定を行い、変性状態のBdpAがさまざまな運動を示していることを明らかにした。開発した手法は、さまざまなタンパク質の研究に応用可能である。
|