本研究は、FoF1-ATP合成酵素を、光照射により駆動させる挑戦的な研究である。この目的を達成するために、(1)マイクロ流路デバイスをベースとしたFoF1-ATP合成酵素測定・操作システムを構築し、巨大化大腸菌膜に存在する呼吸鎖複合体I、並びにFoF1-ATP合成酵素のプロトン輸送活性の機能イメージングに成功した。その後、(2)エバネッセント光照射によりFoF1-ATP合成酵素が駆動されるか評価・検討を行った。結果としては、FoF1-ATP合成酵素の活性は検出されなかった。今後の課題として、ATP合成に必要な自由エネルギー濃度を下げるなどの溶液条件を検討する必要性などが明確となった。
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