疎水性の配列を持つ多くの膜タンパク質は小胞体膜へ合成と同時に組み込まれる。一方、ペルオキシソームなどのものは、小胞体標的化を回避する。今回の研究で、ペルオキシソームの主要膜タンパク質PMP70のアミノ末端に短いアミノ酸9残基のモチーフが膜タンパク質の小胞体標的化を抑制することを見出した。この作用には5番目のアミノ酸がセリンであることが必須であった。そのモチーフは分泌タンパク質の小胞体標的化も抑制した。そのモチーフに結合する因子を化学架橋で探索したところ、50kDaおよび20kDaのタンパク質が結合することを見出した。この研究で、小胞体標的化抑制作用という新奇機能を提唱した。
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