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2014 年度 実施状況報告書

糸球体内皮細胞“孔”を構成する蛋白質の特定

研究課題

研究課題/領域番号 26650065
研究機関順天堂大学

研究代表者

恩田 紀更  順天堂大学, 医学部, 助教 (60465044)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード糸球体内皮細胞 / 透過型電子顕微鏡 / IgA腎症 / fenestration
研究実績の概要

腎糸球体内皮細胞(GEnC)における「孔」については不明な点が多いが、疾患発症に重要な「孔」の構成蛋白を検討するため、ヒトHomologue検討の下地となる研究から着手した。血尿や蛋白尿の出現する腎炎では形態学的な変化が予想される。そこで成人で最も多い糸球体腎炎であるIgA腎症を対象とし、感染を契機に肉眼的血尿のみられる群と肉眼的血尿のないIgA腎症を対比することで、「孔」などの微細構造を検討する事から始めた。
初年度は、1999年から2009年までに当院で腎生検を行いIgA腎症と診断された患者(通常診断に必要な電子顕微鏡所見の得られているもの)23名につき検討を始めた。IgA腎症の組織障害の程度については、日本腎臓学会の重症度分類およびOxford分類を用いた。具体的には、腎生検を施行する半年以内に肉眼的血尿を認めた10名と認めない13名の腎生検組織に対し、超微形態研究部門の透過型電子顕微鏡を用いて糸球体毛細血管係蹄の拡大像を分割撮像した。その後画像ソフトphotoshopを用いて画像を合成し、血管の内径(cap)と血管内皮細胞のfenestration(F)といわれる「孔」の長さを計測し、 F+NF/capを計算(NFとはfenestrationがない部分の長さを示す)することで、「孔」の状態を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初はマウスからヒトへ検討を進める予定であったが、これまで「孔」について着目した検討が少なく、研究対象となる「孔」構成蛋白を絞ることが困難で時間を要した。そこでヒト検体の検討から始め、効果的な選択の根拠とすることにしたため、若干達成度が落ちたと考えられる。

今後の研究の推進方策

今後、F+NF/capの測定結果と個々の患者の臨床データ、治療薬(特にレニン・アンジオテンシン系阻害薬)との関連を明らかにし、「孔」の研究意義と研究の効率化を図る。「孔」の病的意義を明らかにしたうえで、糸球体血管内皮細胞の微細構造の検討を推進し、「孔」を構成する重要な蛋白の同定へ進む。さらに同定された蛋白の検討をヒト腎生検組織の検討にフィードバックし、臨床的意義を確認する。

次年度使用額が生じた理由

使用額については、臨床検体の検討に終始し、糸球体内皮細胞の「孔」を構成するタンパク質質の検討が進まなかったため、試薬などの購入が少なかった。

次年度使用額の使用計画

糸球体内皮細胞の微細構造の検討を推進し、「孔」を構成する重要な蛋白の同定へ進む。これには内皮細胞の培養、「孔」の構造解明、さらに病因的に重要な同蛋白の同定が含まれる。絞り込まれた蛋白がヒト腎生検組織にどのように発現検討しているかを検討し、その臨床的意義を確認する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Properdin has an ascendancy over factor H regulation in complement-mediated renal tubular damage2014

    • 著者名/発表者名
      長町誠嗣、大澤 勲、鈴木 日和、佐藤信之、井下博之、久田温子、恩田紀更、島本真美子、清水芳男、堀越 哲、富野 康日己
    • 雑誌名

      BMC Nephrol

      巻: 15 ページ: 82

    • DOI

      doi:10.1186/1471-2369-15-82

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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