一般的な細胞培養法は培養皿などを用いた一様な環境下での培養条件であるのに対し,本課題ではマイクロ流体技術を導入し,従来の方法では困難であった分子の時空間的な制御が可能な細胞培養システムを設計し構築した.蛍光色素を用いた時空間的制御の検証から,流路内の分子の時空間的分布を短時間で連続的に制御可能であることが確認された.また,マウスiPS細胞などを用いた細胞培養実験から,培養チャネル内の分子の時空間的制御を行うことで連続的に変化する条件下での細胞培養が可能であることが実証された.これらのことから,本システムは細胞の分化メカニズムなどの詳細な解析へ応用が可能な培養デバイスであることが実証された.
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