本研究では,ニワトリ (6ヵ月)よりも性成熟までの期間が圧倒的に短いウズラ (6週間) をモデル動物として,鳥類において多能性幹細胞を用いた遺伝子組換技術の確立を試みた.これまでのニワトリの研究を基に,複数のウズラ系統を用いて樹立を試みた結果,長期間に亘ってES様の形態を維持したウズラ胚性幹 (qES) 様細胞の樹立に成功した.この細胞は,JAK-STATシグナルによってその多能性を維持しており,生殖細胞系列を含めたキメラ形成が可能であった.しかしながら,そのキメラ形成率は,細胞株間で大きく異なっており,本研究の期間では,遺伝子組換え体の作出技術の確立には至っていない.
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