研究課題
1.野生型およびrpl-20変異体のポリソーム解析: 線虫のADAMTSプロテアーゼであるMIG-17は生殖巣形態形成をリードするdistal tip cell (DTC)の移動を制御する。mig-17変異体ではDTCの蛇行・迷走表現型がみられ、生殖巣の形態が異常となる。興味深いことにmig-17変異体のDTC移動異常を抑制するサプレッサー変異として、リボソーム大サブユニットのコンポーネントであるrpl-20遺伝子のアミノ酸置換変異が得られた。rpl-20変異はmig-17の共同因子であるmig-18変異も抑制することができるが、DTC移動制御に関わる別のADAMTSであるgon-1の変異は抑制することはできない。平成28年度はrpl-20変異体の生化学的解析を行った。野生型およびrpl-20(tk73)変異体からショ糖密度勾配遠心分離によりポリソーム分画を行った。その結果、rpl-20変異体では60Sサブユニットの量が野生型に比べて大きく減少していることが分かった。また、ウエスタンブロット解析からRPL-20::mCherryはリボソームに取り込まれていることを確認した。これらの結果から、tk73変異によるアミノ酸置換が60Sサブユニットの形成に影響を与えていることが分かった。野生型と変異体間でポリソームのプロファイルに大きな違いがあり、トランスクリプトーム解析を行っても意味のあるデータが得られないと予想されたため、本解析は中止した。
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G3
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http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~nishiwaki/