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2014 年度 実施状況報告書

植物における左右性の分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 26650098
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

橋本 隆  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードねじれ / 左右性 / 微小管 / アラビドプシス
研究実績の概要

軸器官ねじれモデルを検証するために、細胞層特異的に発現するプロモーターを検索した。表皮細胞(WRKY72とATML1)、皮層(C1)、内皮(SCR)、中心柱(SHR)に特異的に発現する遺伝子のプロモーター領域を用いて、PHS1-KD-GFP(微小管脱重合活性をもつ)をアラビドプシス植物体で発現させたところ、それぞれのプロモーターは予想される細胞層で発現したが、ATML1プロモーターは根伸長領域にある表皮細胞の非根毛細胞列で特に発現が強かった。皮層、内皮、中心柱でPHS1-KD-GFPを発現させた根では、生育が阻害された。皮層発現の場合は、表層微小管が顕著に脱重合しており、根の分化領域では左巻きねじれが観察された。一方、表皮細胞発現の場合は、微小管脱重合の程度が弱く、根の分化領域の表皮細胞の肥大が見られた。
右巻きねじれ変異株spiral1に細胞層特異的なプロモーター(WRKY72とC1)を用いてSPR1-GFPを発現させて、ねじれ形質が相補されるかを実験した。SPR1-GFPは標的とする細胞層に特異的に発現し、細胞間の移動は明瞭には認められなかった。表皮細胞特異的および皮層細胞特異的に発現させた場合のどちらにおいても、ねじれ形質は部分的に相補された。細胞層特異的発現の効果がはっきりしないのは、使用したプロモーターの発現強度が充分でないためか、SPR1-GFPが部分的に隣の細胞層へ移行した可能性が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた実験のうち、2つについて完了した。有効な細胞層特異的プロモーターを明らかにした。一方、実験結果には解釈が難しいものもあり、導入遺伝子と導入先の変異株の種類をさらに検討する必要がある。

今後の研究の推進方策

当初の実験計画に挙げて、まだ開始していない実験を進めるとともに、細胞伸長を阻害する他の方策(アクチン繊維の阻害など)も検討する。

次年度使用額が生じた理由

初年度は使用できるプロモーターの選定をしながら、実験を進行させたため、多くの形質転換植物体を扱うことはできなかった。また、得られた植物体の形質が部分的な形質相補であったため、詳細な細胞生物学的解析ができなかった。実験結果の解釈が明瞭でなかったため、年度中に学会発表は行っていない。

次年度使用額の使用計画

より多数の形質転換植物体を扱うとともに、得られた植物体の形質について詳細な解析を行う。また、学会等での研究成果の発表に経費を使用する。

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公開日: 2016-05-27  

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