MYB型転写因子EPR1は植物だけでなく酵母と動物細胞においても転写を抑制することができる。本研究では植物、酵母、動物におけるEPR1の転写抑制モチーフを解析し、真核生物において高度に保存された転写抑制メカニズムを明らかにすることを目的とした。解析の結果、EPR1は二つの転写抑制モチーフをもつことが判明した。C末側に存在するE領域は動物では転写を抑圧できなかった。N末側に存在するA領域は、植物、酵母、動物において転写活性化因子の機能を抑圧できることが明らかになった。EPR1の生物界を超えた転写抑制能は、作用機構の異なる二つの独立したモチーフに依存すると考えられた。
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