始めに固定脳スライスにおいてベクトルビームの効果を脳埋め込み蛍光ビーズ像から評価した結果、直線偏光においても領野において異なる光学特性を示すことが示唆された。次に、新たな透徹剤によって固定脳を透明化した結果、表面から数十μmの深さにおいては集光が保たれる条件を見出した。そこで超解像顕微鏡(構造化照明顕微鏡)へ応用し、通常では観察不可能であった深部領域において超解像効果が得られ、神経細胞シナプスのスパイン構造をより詳細に現すことに成功した。次に、生体脳における集光特性について解析した結果、そのカバーガラスの傾きや厚さ、浸液の屈折率の調整によって大きく改善することが明らかになった。
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