哺乳類発生ではノード繊毛の運動が作り出す左向きの水流が将来の左右を決定する。この繊毛は時計回りに回転運動するがその角速度は左右非対称である。これが粘性抵抗による受動的なものか、繊毛構造に基づく能動的なものなのか、左右性の起源という観点から興味ある問題である。そこで繊毛基部にある基底小体の方向性を、そのマーカーとされるODF2の局在を調べることで決定しようとした。しかしODF2の局在が予想外のパターンを示したため所期の目的は達せられなかった。一方、母娘中心子の方向性に関してはランダムで、上記の粘性抵抗説を弱いながら支持する結果が得られた。
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