多くの昆虫複眼は2タイプの個眼を含むが、チョウではこれが3タイプである。これは訪花性への適応なのか?この疑問に答えるため、複眼の形成過程をチョウとハエで比較した。ハエでは、全個眼で調節因子Prospero(Pros)がR7細胞に発現する。Prosはチョウでは個眼当り2細胞に発現していた。チョウではR7が重複したらしい。ハエの個眼多様性は、R7にSpineless(Ss)が発現するか否かで決まる。チョウ個眼ではSs陽性細胞数が2か1か0で、3タイプの個眼に対応すると考えられた。実際ssの機能を止めると、全個眼に紫外受容細胞が2個できた。複眼の分光学的多様性は視細胞数の増加と関係あるようだ。
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