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2017 年度 実績報告書

光遺伝学法と単一細胞光刺激装置を用いて、ホヤ幼生中枢神経系の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 26650122
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

中川 将司  兵庫県立大学, 生命理学研究科, 助教 (00212085)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード光遺伝学 / ホヤ幼生 / 神経回路 / 神経機能 / 行動
研究実績の概要

本研究は、光遺伝学手法用いて特定の神経細胞を興奮させたときに生じる行動を観測し、神経回路とその出力である行動の関係を明らかにすることである。我々は単一細胞レベルで神経細胞を興奮させることができる単一細胞光刺激装置を開発し、その装置を使い尾部前方に存在するGABA/グリシン神経の機能及び、ホヤ幼生においても見つかったマウスナー細胞様細胞が魚と同等な細胞なのかを調べた。
先行研究により、尾部前方部に存在する左右2対のGABA/グリシン神経細胞(ACIN)が前方に向かって軸索を伸ばし、左右交差後、終末が運動神経軸索に接している興味深い神経回路を見出した。この単純な神経回路が、尾部を左右に振る運動を生み出していると考えた。ACIN細胞にチャネルロドプシンを発現した幼生に一つのACIN細胞だけに光を照射すると、尾部運動が停止し、光刺激を解除するとすぐに尾部運動が開始した。光オンオフに同調して尾部運動が生じることから、我々が予想したGABA/グリシン神経細胞と運動ニューロンからなる、この単純な神経回路で尾部運動を引き起こすことが分かった。
最近電顕観察より、Menerthagenらのグループがホヤ幼生にもマウスナー細胞と同等な、ddN(decussating neuron)神経が存在するとの論文を発表した。一方、StolfiらはDmbx遺伝子を発現する神経細胞がマウスナー様形態をしていることを示した。形態及び細胞体の位置がほぼ同じなので同一の細胞と思われる。その細胞がマウスナー神経であれば、その神経を発火させれば、C型逃避を示すはずである。そこで、Dmbxを発現する細胞にChR2を発現させ、光照射で刺激を与えたが、全く逃避行動を示さなかった。このことは、少なくともホヤのマウスナー様神経は、逃避行動を示さないことが分かった。実際、外部から機械刺激与えてもC型逃避は見られなかった。

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公開日: 2018-12-17  

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