脊椎動物の脳の起源はホヤ幼生の脳と考えられている。脊椎動物同様に神経管より中枢神経系を構築されている。ホヤ幼生の神経細胞は僅か200個足らずである。幼生は半透明なので、光遺伝学手法(光照射により神経細胞を興奮または抑制させることができる手法)により、無傷の状態で特定の神経を興奮することができる。我々は、一細胞レベルで特定の神経を興奮させることができる単細胞光刺激装置を作製した。その装置を用いて一つの抑制性神経を興奮させると尾部運動は停止し、その興奮を解除すると尾部を左右に振る運動が見られた。このことから、この単純な神経回路で尾を左右に振る運動を引き起こすことが明らかにした。
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