トランスポゾンは、ゲノムに散在する反復配列として多様な染色体編成変化を生み出す。私たちはこれまでに分裂酵母を用いて、その作用はストレスなどに応答して発動する正規な細胞プログラムが積極的に生み出している証拠を得てきた。本研究ではそこでのトランスポゾン活性化の仕組みを解析した。分裂酵母トランスポゾンTf2のエピジェネティック制御要素であるヒストンH3-K56のアセチル化について解析を加え、染色体再編成における特異的な影響はないことを示した。一方、複数のTf2遺伝子座の核内クラスター形成が染色体再編成時には崩壊していることを見出した。細胞核の高次構造が染色体編成変化を促している可能性が挙げられる。
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