研究課題/領域番号 |
26650145
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田一 智規 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10379901)
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研究分担者 |
青井 議輝 広島大学, サステナブル・ディベロップメント実践研究センター, 特任講師 (40386636)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 群集・生態系多様性 / 分離培養 |
研究実績の概要 |
H26年度は、「対象細菌群の系統解析とFISH法による可視化」および「MAR-FISH法による対象細菌群の増殖可能有機炭素源の特定」を実施した。まず、予備的調査として、広島大学近辺の下水処理場の活性汚泥からDNAを抽出し次世代シーケンサーによる16S rRNAアンプリコンシーケンスを行った。これにより低頻度に検出される未培養細菌群を網羅的に解析した。その結果、Candidate division細菌群としてTM7(現在はSaccharibacteria)が11%、BD1-5(Gracilibacteria)が0.3%、SR1が0.5%検出された。そこで、BD1-5とSR1に関して既報の特異的プライマーセットを文献から選定し、ARBソフトを用いて特異性を確認後、PCR増幅し、クローニングを行った。それぞれ48クローンずつ得られたので、ARBで詳細な系統学的位置関係を決定後、現在は可視化のためのFISHプローブの設計・最適化を行っている。 次に、活性汚泥中に高頻度で検出されるTM7を対象に、基質利用特性をMAR-FISH法にて把握した。その結果、糖類を主に取り込むことが明らかになった。次にグルコースなどの糖を唯一の炭素源としてTM7の集積培養を試みた。この際にTM7が実際に増殖したかどうかを定量PCR法を用いて評価した。これにより、適切な培養温度、pH、基質濃度等を決定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象細菌の一部について増殖可能有機炭素源の特定が把握できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
対象細菌のうちBD1-5とSR1については、FISH法での可視化が出来次第、MAR-FISH法により増殖可能有機炭素源の把握を行うとともに、最適培養条件の検討を行う。TM7に関しては26年度に決定した培養条件を最適化するとともに、バイオリアクターを用いて連続的に集積培養を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象細菌の一部について増殖可能有機炭素源の特定が把握できていないため、次年度に使用する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
増殖可能有機炭素源の特定に用いる標識基質を消耗品として購入予定である。
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