H26年度で実施した活性汚泥に対する次世代シーケンサーによる細菌叢網羅解析の結果、TM7門が2.4%、OD1が4.9%、BD1-5が0.3%、SR1が0.2%検出された。これらの細菌群のうち、OD1を除く3門に特異的なFISHプローブをそれぞれに対して複数設計することができた。H27年度では、純粋培養株が得られていない、これらの細菌群に対してClone-FISH法を適用し、それぞれのプローブに対して最適ホルムアミド濃度を決定できた。実際に活性汚泥サンプルに適用したところ、既報の論文にあるような形態を有する細菌の可視化に成功している。 TM7門に関してはMAR-FISH法での基質利用特性の把握に加え、ELF-FISH法により細胞表面の酵素活性を明らかにすることができた。さらに活性汚泥からの集積培養を回分培養にて試みたところ、増殖が見られる温度、pHなどの培養条件を最適化することができたが、定量PCR法での増殖の有無の確認法とFISH法での増殖確認法では違いが見られ、プライマーセットもしくはFISHプローブの特異性のどちらかに問題があると考えられた。 新規分離手法に関しては、複合微生物系からのセルソーターによる対象微生物の分離は可能になった。Candidate division細菌群に対しては、今後適用予定である。
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