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2014 年度 実施状況報告書

ヒメミカヅキモの性決定遺伝子から迫る、ストレプトファイツ植物の性決定

研究課題

研究課題/領域番号 26650147
研究機関日本女子大学

研究代表者

関本 弘之  日本女子大学, 理学部, 教授 (20281652)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードミカヅキモ / ストレプトファイツ / 性決定
研究実績の概要

本研究では、CpMinus1遺伝子の発現レベルを変動させた形質転換体の状態をRNAseqにより解析することで、性決定に対する貢献を評価すること、もう一つの未知性決定遺伝子であるCpMinus2を発見することを目的としている。
本年度は、ヒメミカヅキモのヘテロ株のゲノム解読を進めるため、+型、-型両性のゲノムについて、PacBioを用いて、ゲノム配列を決定した。しかし、現時点で、IlluminaのデータとPacBioのデータの両方を使用できるハイブリットアセンブラーの開発がされておらず、以前としてscaffoldサイズは小さいままとなった。しかしながら、-型細胞特異的なContigを、CpMinus1以外に1つ見いだしており、全長クローニングを行いつつ、CpMinus2となりうるかを今後検討する。
CpMinus1については、cDNAをHSP70遺伝子プロモーターの下流で強制発現するようなコンストラクトを作製し、+株に導入し6株の形質転換体を得ている。そのうち、2株は+株と混合することで顕著に接合反応が進行し、-型との混合ではほとんど接合子を形成せず、あたかも-型細胞のような表現型を示したものの、残りの株では完全に性表現の転換は起こらなかった。遺伝子発現に用いたプロモーターが不適切であることが考えられてため、-型細胞のゲノム配列からCpMinus1遺伝子のプロモーターを含む領域を増幅し、新たな遺伝子導入用コンストラクトを作製した。
CpMinus1を導入することで、あたかも+型細胞のように振る舞うようになった1株を用いて、比較transcriptomeのためのデータを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ゲノム解読については、相変わらずscaffold長がなかなか長くならず難航しているが、そんな中でもCpMinus2遺伝子候補を見いだすことには成功した。また、CpMinus1を導入した株について、比較Transcriptome解析を進めており、データ解析の準備まで進んでいる。全体としては、順調に推移していると思われる。

今後の研究の推進方策

ゲノム解読については、PAC BioデータとIlluminaデータのハイブリットアセンブラーの開発を待つことになるが、CpMinus2遺伝子候補については、全長クローニングを行い、構造と機能を解析する。
雌雄異株のオーストラリアシャジクモについて、株の状態がやや悪かったため、研究を中断していたが、新たに接合子から子孫株を単離し、比較RNAseqを行う。
CpMinus1を導入することで、あたかも+型細胞のように振る舞うようになった1株の比較transcriptome解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

ハイブリッドアセンブラーの開発が進んでいないこともあり、scaffold長がなかなか長くならず、CpMinus2遺伝子候補を見いだすことには成功したものの、さらなる解析には着手出来ずにいる。また、雌雄異株のオーストラリアシャジクモについて、株の状態がやや悪かったため、比較RNAseqに進めなかったことも一因である。そのため、当初予定した費用を次年度以降に使用することとした。

次年度使用額の使用計画

CpMinus2遺伝子候補の全長クローニングと機能解析、オーストラリアシャジクモの比較RNAseq解析などに用いる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] A Receptor-like kinase, related with cell wall sensor of higher plants, is required for sexual reproduction in the unicellular charophycean alga, Closterium peracerosum-strigosum-littorale complex2015

    • 著者名/発表者名
      1. Hirano, N., Marukawa, Y., Abe, J., Hashiba, S., Ichikawa, M., Tanabe, Y., Ito, M., Nishii, I., Tsuchikane, Y., Sekimoto, H.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol.

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Detailed analysis on the parthenospore formation in Closterium moniliferum (Zygnematophyceae, Charophyta).2014

    • 著者名/発表者名
      Tsuchikane, Y., Nakai, A., Sekimoto, H.
    • 雑誌名

      Phycologia

      巻: 53 ページ: 571-578

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.2216/14-35R1.1

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ホモタリックなヒメミカヅキモにおけるCpMinus1相同遺伝子の機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      土金勇樹、横山佳奈、鈴木穣、西山智明、関本弘之
    • 学会等名
      日本藻類学会
    • 発表場所
      九州大学(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2015-03-21 – 2015-03-22
  • [学会発表] 自殖するミカヅキモにおける性決定遺伝子CpMinus1の機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      横山佳奈、関本弘之、鈴木穣、西山智明、土金勇樹
    • 学会等名
      日本植物分類学会
    • 発表場所
      福島大学(福島県福島市)
    • 年月日
      2015-03-06 – 2015-03-08
  • [学会発表] ヒメミカヅキモの-型細胞ゲノム特異的遺伝子CpMinus1の機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      小宮あゆみ、阿部淳、川井絢子、鈴木穣、豊田敦、藤山秋佐夫、大槻涼、土金勇樹、西山智明、関本弘之
    • 学会等名
      日本植物学会
    • 発表場所
      明治大学(神奈川県川崎市)
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
  • [学会発表] ヒメミカヅキモの性フェロモンと結合するファシクリンIタンパク質の機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      市原健介、滝口若菜、原真由美、土金勇樹、阿部淳、関本弘之
    • 学会等名
      日本植物学会
    • 発表場所
      明治大学(神奈川県川崎市)
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
  • [学会発表] 接合藻ヒメミカヅキモにおけるホモタリズムの進化2014

    • 著者名/発表者名
      土金勇樹、西山智明、関本弘之
    • 学会等名
      日本植物学会
    • 発表場所
      明治大学(神奈川県川崎市)
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
  • [学会発表] ヒメミカヅキモの-型細胞特異的な受容体型タンパク質の特性2014

    • 著者名/発表者名
      藤原安理、市川真知子、関本弘之
    • 学会等名
      日本植物学会
    • 発表場所
      明治大学(神奈川県川崎市)
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14
  • [学会発表] シャジクモ藻類ヒメミカヅキモにおける陸上植物特異的な転写因子の探索と発現解析2014

    • 著者名/発表者名
      川井絢子、阿部淳、鈴木穣、豊田敦、藤山秋佐夫、土金勇樹、西山智明、関本弘之
    • 学会等名
      日本植物学会
    • 発表場所
      明治大学(神奈川県川崎市)
    • 年月日
      2014-09-12 – 2014-09-14

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公開日: 2016-05-27  

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