予測できない変動環境が遺伝子の重複を増加させ、保持し、そのような変動環境下で進化したゲノムは、適応力や進化可能性が高いという仮説を検証するために、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)を用いて、変動環境下で進化させ、全ゲノム配列をモニタリングする進化実験を行った。進化実験終了後の解析の結果、RAD27変異株では3種の不規則変動環境条件と高負荷の6環境をランダム変動させる条件において、最適一定環境条件と比較して新規重複領域数が有意に増加した。また、450世代から500世代までの平均適応度は、RAD27変異株において、新規重複領域数が多いほど適応度が高い傾向を示した。
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