佐鳴湖では、夏季にシアノバクテリアのSynechococcus属が優占したが、冬季には渦鞭毛藻類で動物プランクトンの餌となり得るKatodinium属が優占した。動物プランクトン密度は低く、とくに冬季は甲殻類、ワムシ共にほとんど検出できなかった。Synechococcusに対する摂食圧の測定を行った結果、佐鳴湖では生産されたSynechococcusの53から175%がおそらく鞭毛虫による摂食で死滅した。本湖の食物連鎖は、主に微生物食物網により駆動されており、生食連鎖は、たとえ冬季で動物プランクトンにとって摂餌し易い植物プランクトンが存在していても、あまり機能していないと思われた。
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