近年、気温の上昇により熱中症発病者が急増し、特に熱中症高齢者の増加が特記される。熱中症予防の基本は暑さに身体を慣らす、つまり暑熱順化である。しかし暑熱順化の分子機構はほとんど解明されていないのが現状である。本研究では暑熱順化の分子機構の解明を試みた。 暑熱順化により(1)シャペロンタンパク質であるHeat Shock Proteinsが増加した、(2)低酸素刺激にも耐性が獲得された、(3)温度センサーであるTRPV1が減少した。以上が、これまでに判明した暑熱順化の分子生物学的な解析結果である。本成果により、熱中症予防への応用が少なからず可能性が高まったと思われる。
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