研究課題/領域番号 |
26650175
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
福岡 義之 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20265028)
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研究分担者 |
北條 達也 同志社大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40298740)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 全身的協関 / 低酸素 / 低温 / 呼吸調節 |
研究実績の概要 |
低温と低酸素との組み合わせによるcross adaptationを検証する上で、H26年度では間欠的低酸素暴露(intermittent hypoxia)を用いた。このときの呼吸調整はセロトニン神経活動を介した中枢性呼吸調節であり、これに低温暴露の相乗効果について検討した。対象は健康な若年者6名であり、循環-呼吸-体温に関連する大量のデータ収集を行った。低温条件は被験者の安全性を考慮して、循環スーツによる11℃冷水を流速600ml/min にて環流させ、約30分かけて深部体温を徐々に減衰させることに成功した(約-0.5℃)。低酸素では換気亢進がみられ、常酸素では減衰するといった繰り返しが観察され、7回の繰り返しによって換気量や一回換気量、呼吸数等は全体に右方上がりで上昇し続けた。この際、呼気終末のCO2分圧を一定にするため1呼吸毎にフィードバック制御を行った。この上昇は中温熱(34℃)環流に比べて低温(11℃)環流時のとき有意に上昇した。また、血漿アドレナリン、ノルアドレナリン濃度の上昇から、深部体温の低下によって熱産生を誘発していたと考えられる。中温時にはアドレナリン、ノルアドレナリン濃度の上昇がなかったことから、低温暴露は副腎髄質系の交感神経活動を活性化し、さらに高圧系圧反射感受性も亢進していた。このように、低温-低酸素の急性なcross adaptationとして、intermittent hypoxiaによるセロトニン神経由来の呼吸亢進が惹起し、ノルアドレナリン系の交感神経活動の亢進も同時に起こることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
低体温の安全性を確保するために、浸水でなく循環スーツを用いた低体温暴露を確立するため時間を要した。そのため6名の被験者に留まったが、H27年度被験者を追加する予定である。同時にH27年度の研究計画はそのまま実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
プロトコール設定に時間を要したため、被験者謝金に余剰金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
H27年度被験者を追加して測定を継続する予定である。
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