研究課題
我々のこれまでの研究により,操作デバイス等へ微小振動(わずかに感じるレベル)を付与し,操作の主動筋を刺激することにより,トラッキング作業(追従操作)の精度が向上する場合があることが分かっている.そこで本研究では,この効果を汎用的に利用するためのメカニズムの解明(操作部位の筋に振動刺激が伝わることにより、筋紡錘に確率共鳴現象が生じた効果と仮定),および効果が得られる刺激条件,対象範囲(若年/高齢,男女など)の抽出を目的としている.2014年度は,この微小振動付与による操作精度向上メカニズム解明のための検討を行った.振動刺激により筋紡錘の機能が向上するとの仮説を軸に,筋冷却により筋紡錘の一時的な機能低下状態を生じさせ,その時の振動付与の効果を被験者8名で検討した.その結果,筋紡錘のみの機能低下時に追従精度が低下したことから,操作精度に筋紡錘が寄与していること,さらに筋紡錘の機能低下時にも,振動刺激により追従精度が向上することが分かった.これらの知見を,第5回国際応用人間工学会(AHFE2014,7月,ポーランド)にて発表および論文投稿(AHFE2014 Conference Book)し,さらに日本生理人類学会(11月,神戸大学)にて発表し,科研費研究にて得られた知見を情報発信するとともに,関連する研究者と情報交換を行った.
2: おおむね順調に進展している
当初の計画どおり実施できた.
2015年度は,上半期に2014年度に得られた知見を,第6回国際応用人間工学会(AHFE2015,7月,アメリカ)にて発表し,関連する情報収集を行う予定.下半期に,微小振動付与の効果がある対象範囲(若年/高齢,男女など)の検討を行う予定.
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AHFE2014 conference book, Advances in Ergonomics In Design, Usability & Special Populations
巻: Part I ページ: 179-184