【実験1】Slc:Wister雄ラット(n=5)に米アレルギー症状を緩和する「ゆきひかり」または親3品種と姉妹品種1品種をそれぞれ65%混ぜた飼料を4日間給餌した。4日目にラットを解剖し、大腸を摘出してトータルRNAを抽出し、各群のRNAをプールし、DNAマイクロアレイ法により遺伝子発現を比較解析した。他の4品種群と比較して、ゆきひかり群で4倍以上の発現レベルとなった184遺伝子と1/2以下の発現レベルとなった109遺伝子を特異的変動遺伝子として選定した。これらゆきひかりで特異的に発現変動する遺伝子群の生物学的機能についてDAVIDを用いて解析したところ、ゆきひかりで発現減少していた遺伝子群には、様々な受容体をコードするものが多かった。一方、ゆきひかりで発現が増加していた遺伝子群には、物質輸送に関わるものが多かった。これらのうち、機能的にも重要と思われる10遺伝子について、ラット各個体の大腸から抽出したトータルRNAを用いたリアルタイムRT-PCR法を行い、ゆきひかり群で発現が減少している2種の遺伝子を特定した。【実験2】培地中にイネ各品種の米粉を5%添加し、腸管モデル細胞としてヒトCaco-2培養細胞を培養した。培養細胞からトータルRNAを抽出し、実験1で特定したラット遺伝子のヒトホモログの発現解析をする準備を整えた。
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