フロリゲンは花芽分化を誘導する強力な運命決定因子であり、その正体はHd3a/FTと呼ばれる球状タンパク質である。フロリゲンは葉で合成された後、茎の先端に位置する幹細胞領域・茎頂メリステムへと輸送されて機能する。この長距離輸送の過程、とくにメリステムに到達する様子は、長距離移動性の発生制御因子を介した成長相制御の最終段階であり極めて興味深い。本研究では、独自に開発したフロリゲンの生体イメージング系を駆使して、生きたままの茎頂メリステムを固定せずにライブイメージングすることを試みた。その結果、フロリゲンが様々に分布を変えながらメリステムの成長相転換を進める様子を初めて観察することに成功した。
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