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2015 年度 実績報告書

水田に設置した地下潅漑システム(FOEAS)による水稲の冷害軽減効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 26660011
研究機関北海道大学

研究代表者

岩間 和人  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任教授 (70144219)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード水稲 / 乾田直播 / 地下潅漑システム / 水温 / 地温 / 冷害
研究実績の概要

26年度春に設置した地下潅漑システム(FOEAS)の水田で、27年度に水稲「ななつぼし」を乾田直播で栽培し、生育と収量の調査および水温と地温を測定した。併行して、隣接した水田で、同品種を慣行移植で栽培して調査し、FOEAS水田と比較した。FOEAS水田ではコムギ播種機を利用して極めて短時間で播種が終了した。播種後に地下から潅漑水を与えて、地表5cm程度で水位を維持したところ、発芽・苗立ち率は極めて良好で95%を超えた。同時期に移植した慣行水田に比べて、幼穂形成期が10日、出穂期が7日遅れ、また出穂期までの地上部乾物重と葉面積指数がともに劣ったが、それ以降では両形質ともに優れた。収獲期はFOEAS水田で5日遅れたが、登熟歩合は90%を超えており、収量では両水田間で統計的に有意な差異が認められなかった。
水温と地温は、両水田で継続的な湛水(深さ5-10cm)を行った7月11日から8月21日の期間では、常にFOEAS水田の方が高く推移した。すなわち、水稲の障害型冷害の危険期である7月中下旬の平均水温は、FOEAS水田で24.8℃を示し、慣行水田よりも1.1℃高かった。地温は、深さ10 cmで0.4℃、20 cmで0.7℃、それぞれFOEAS水田の方が高かった。なお、水田に供給した潅漑水温は両区ともに19.6℃だった。
以上のことから、寒冷な北海道の水稲栽培において、FOEASを設置した水田で地下から潅漑すると、表面潅漑の慣行水田に比べて地温と田面水温を上昇できると結論した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 寒冷な北海道において地下潅漑システム(FOEAS)を利用した水田地下部からの潅漑は田面水温と地温を上昇させる2016

    • 著者名/発表者名
      岩間和人・大野星絵・竹澤広基・市川伸次・岡田佳菜子
    • 雑誌名

      日本作物学会紀事

      巻: 85 ページ: 5

  • [雑誌論文] 慣行移植栽培と地下水位制御システム(FOEAS)を用いた乾田直播栽培における水稲品種「ななつぼし」の生育及び収量の比較2015

    • 著者名/発表者名
      大野星絵・竹澤広基・市川伸次・角田貴敬・内野紀彦・岡田佳菜子・岩間和人
    • 雑誌名

      北海道談話会報

      巻: 56 ページ: 60-61

  • [学会発表] 寒冷な北海道において地下潅漑システム(FOEAS)を利用した水田地下部からの潅漑は田面水温と地温を上昇させる2016

    • 著者名/発表者名
      岩間和人・大野星絵・竹澤広基・市川伸次・岡田佳菜子
    • 学会等名
      日本作物学会
    • 発表場所
      茨城大学(茨城県水戸市)
    • 年月日
      2016-03-28
  • [学会発表] 慣行移植栽培と地下水位制御システム(FOEAS)を用いた乾田直播栽培における水稲品種「ななつぼし」の生育及び収量の比較2015

    • 著者名/発表者名
      大野星絵・竹澤広基・市川伸次・角田貴敬・内野紀彦・岡田佳菜子・岩間和人
    • 学会等名
      北海道談話会
    • 発表場所
      北海道大学農学部(北海道札幌市)
    • 年月日
      2015-12-05

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公開日: 2017-01-06  

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