網羅的に元素分析が可能なイオノーム分析を、果実作物においておこなった。分析は、可食部における各元素の濃度を明らかにすること、および種間や器官間での元素濃度の比較をおこなうことを目的として実施した。分析対象は必須元素、毒性や放射性物質に関わる元素を含む19種類の元素であり、材料にはリンゴ、ニホンナシ、ナス、エダマメを用いた。その結果、元素の体内分布を、作物の栄養強化に必要な基礎的知見として示すとともに、難移動性であると考えられてきた元素のいくつかにおいて、種によっては高い移動性をもつことを明らかにすることができた。また、種を超えたイオノームパターンの普遍性も明らかとなった。
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