研究課題/領域番号 |
26660025
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田尾 龍太郎 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10211997)
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研究分担者 |
河井 崇 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90721134)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 果樹 / 園芸 / 雌雄異株性 |
研究実績の概要 |
本研究では,従来の研究手法のみの利用では,さらなる研究の進展に限界があり,研究の発展が阻まれているマメガキの雌雄性研究に,近年,急速な進歩を遂げた次世代シークエンシング技術を導入することでブレークスルーをはかり,マメガキ(Diospyros lotus)の雌雄性決定因子を同定し,その結果を栽培カキ(D. kaki)の雌雄性研究に応用しようとするものである.本年度は以下の実験結果を得た. ① 2004年にマメガキの雌株と雄株を交配して得た64個体の開花が全てみられ,開花調査が終了した.また2011年に同じ交雑を行い得た約200個体の一部が開花したため,その調査を開始した.これらの個体は,マメガキにおける性染色体の構造解析に用いる予定である. ② マメガキとカキの花成を比較調査した結果,両者は同様の花成の過程を経て,開花に至ることが明らかになった.またマメガキではカキよりも花成の開始時期が若干早いことも明らかになった. ③ マメガキの雌雄性が判明しているF1個体およびその両親のゲノムDNAにタグをつけてIllumina HiSeq2500を用いたショートリード塩基配列解析を行い,また花芽分化期の混合芽のmRNA-Seq解析も併用して,マメガキの雌雄異株性決定機構,OGI/MeGIシステムを明らかにした.このシステムが,栽培ガキの複合的かつ可塑性に富む性決定機構の中で,どのように機能しているか解明するために,栽培ガキのOGIおよびMeGIの調査を開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マメガキの性決定領域が予想より小さかったことや次世代シークエンシング技術が予想以上にうまく機能したことから,既にマメガキにおける雌雄異株性の決定機構の解明に成功している.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画以上の研究進展をみており,今後,栽培ガキの雌雄性の制御機構の解明に鋭意取り組む予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画の一部が,当初の予定より効率的に行うことが可能であったため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
さらに研究の進展を早めるために,研究2年度目に予定していた研究をさらに充実させるために使用する.
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