(1)カモジグサうどんこ病菌Ah-1とコムギうどんこ病菌Th-1のF1菌系の中から、Ppm10(カモジグサうどんこ病菌のコムギに対する非病原力遺伝子)を保有しかつ一粒系コムギTriticum urartu (Urr)上で旺盛に生育するAT-1を選抜した。この菌系をUrr上で培養して胞子を回収し、DNAを抽出した。このDNAをブロッティングし、PWT4(エンバクいもち病菌のコムギに対する非病原力遺伝子)をプローブとしてサザン解析を行なったが、シグナルは得られなかった。以上のことから、メンデル遺伝学的には同じ抵抗性遺伝子に対応するものの、Ppm10とPWT4は異なる遺伝子であると結論した。 (2) オオムギの各種いもち病菌に対する抵抗性遺伝子Rmo2の座乗領域を遺伝学的にさらに絞り込むため、R81 x Ngt 由来 Rmo2分離集団(F3)約5000個体を播種し、第一葉から抽出したDNAを用いてFlanking marker間のrecombinantを選抜した。これらを鉢上げし、育成してF4 種子を採取した。これらにGFSI1-7-2を接種して各recombinantのRmo2座における遺伝子型を決定し、マッピングを行なったところ、Rmo2座乗候補領域をさらに50kbまで絞り込むことができた。
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