1. ハダニ染色体構造の解明 ナミハダニの異なる系統を交配し、multiplexを用いたフラグメント解析による親世代とF2雄におけるSSR遺伝子型の比較から、SSRの連鎖地図を作製し、Scaffoldのゲノム上の位置を解析した。昨年度、大きい方から20番目までのscaffoldについて、SSRのプライマーを設計したが、解析の結果、本年度はこれらの内、13のscaffoldについてゲノム上の位置を推定できた。現在、さらに40番目まで(これによりナミハダニゲノムの大半がカバーされる)のプライマーを設計して、染色体構造の解析を準備している。 2. ハダニ卵の抵抗性発現メカニズムの解明 昨年度、抵抗性遺伝子をマッピングするためのQTL解析の方法が解決できていなかったが、B1雌の遺伝子型とB2雄の死亡率データから、薬剤抵抗性遺伝子をマッピングする方法を確立し、ピリダベン抵抗性遺伝子について、存在が予測されていたscaffold 7内でのQTL解析を行った。その結果、変異が見つかった作用点の遺伝子とRNA-seqにより発現が高まっていたCYP遺伝子などの位置と一致した。このため、さらにqPCRやSNP頻度と抵抗性レベル等について調査を進める予定であり、scaffold 7以外も含めたCYP遺伝子の発現解析qPCR用プライマーの設計を終えたところである。これらを精査し、卵に限定的な母性効果の発現機構を明らかにする予定である。
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