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2014 年度 実績報告書

メタン発酵消化液を煮詰めて肥料にする

研究課題

研究課題/領域番号 26660049
研究機関京都大学

研究代表者

間藤 徹  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50157393)

研究分担者 落合 久美子  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40533302)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2015-03-31
キーワードメタン発酵 / 消化液 / リサイクル肥料 / 硫酸アンモニウム / 加里肥料 / アンモニウムストリッピング
研究実績の概要

ヒトや家畜の排泄物、下水処理場汚泥などの有機性廃棄物を嫌気的に分解してメタンを発生させるメタン発酵が実用化されている。メタンを回収したあとの発酵液は消化液と呼ばれるが、消化液にはアンモニア、硫化水素などとともに、出発材料に含まれたリン、カリウムなどのミネラル成分、菌体が含まれる。本研究では、この消化液に熱空気を通気してアンモニアを蒸発させ、このアンモニアを希硫酸槽に導いて硫酸アンモニウムとして捕捉する。さらに熱空気を通気し続け、アンモニアを除去したあとの消化液を乾固させる。生成する硫酸アンモニウム水溶液にはさらに熱空気で水分を蒸発させ高濃度の硫酸アンモニウム水溶液とする。木酢液蒸留装置に通気装置を付加した改良装置を用いてこれらの操作を行い、消化液20 kgから0.2 kgの硫酸アンモニウムを含む1リットルの硫安水溶液、窒素-リン酸-加里を2%, 0.2%, 4%含む黒色粉末2kgを調製することに成功した。
硫酸アンモニウム水溶液はそのまま肥料として使用できた。しかし、黒色肥料は、たしかに分析値通りの肥料成分を含んでいたが、カリウム濃度が高いため、作物の窒素あるいはリン酸の要求量を満たすように施用すると、作物にカリウムの過剰障害が発生した。今後、この黒色粉末を肥料として利用するためには窒素やリン酸よりもむしろカリウム肥料として使用するべきであると判断した。
ここで試作した濃縮装置ではドレン穴が小さく、沈殿物が多い濃縮後の消化液の回収が難しかったので実用機では最下部に口径の大きなドレンバルブを備える必要がある。また、本試作機ではコンプレッサーから空気を吹き込み、加温には木酢液蒸留装置に備えられたヒートコイルを利用し熱空気とした。しかし、実用機では廃熱を利用できるように内燃機関の排気ガスを導入する工夫が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] メタン発酵消化液を用いたコマツナ連作試験-消化液と曝気消化液の肥効の比較-2014

    • 著者名/発表者名
      松原 圭佑
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会2014年度大会
    • 発表場所
      東京農工大学
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-11

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公開日: 2016-06-01  

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