研究課題/領域番号 |
26660050
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
鈴木 章弘 佐賀大学, 農学部, 教授 (50305108)
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研究分担者 |
有馬 進 佐賀大学, 農学部, 教授 (90140954)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 光質 / 菌根菌 / 共生 / 感染 / 作物生産 / ダイズ / トマト |
研究実績の概要 |
高等植物と菌根菌との共生はR/FR 比の違いによって大きな影響を受けることが示されている。そこで本研究課題ではダイズとトマトを材料にして1)光質の制御による菌根菌共生促進技術の開発,2)光照射した植物の生理状態の評価,3)菌根菌共生促進技術の作物生産への応用の3つの小課題を遂行する。これによって,菌根菌共生が促進される光条件を見極め,その時の生理的な背景にある遺伝子のネットワーク機構に関する情報を収集する。さらにその共生促進技術を実際の作物生産に適用することで生産性に及ぼす影響を評価する。 (1)に関しては,FR カットフィルター(メガクール)で光質を制御して(太陽光中のFR は菌根菌感染を妨げる)トマトを栽培し,個体の成長や菌根菌感染に及ぼす影響を調査した。その結果FR カットフィルターで光質を制御することで果実の形成時期が早くなる傾向が見られた。また,地上部の成長もメガクール処理区で促進されている傾向を見出した。これについては現在も継続して研究を推進している。 (2)に関しては,ダイズにおいて菌根菌感染が促進される条件と阻害される条件でマイクロアレイをもちいて発現に変動がある遺伝子をリストアップした。現在それらについて継続して解析を行っている。 (3)に関しては,R/FRの比を変化させてダイズの菌根菌感染を調査するとともに,収量調査の前段階として,ダイズ中のリン酸や窒素濃度を測定しており,この研究は現在も進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)に関しては,FR カットフィルター(メガクール)で光質を制御して(太陽光中のFR は菌根菌感染を妨げる)トマトを栽培し,個体の成長や菌根菌感染に及ぼす影響を調査した。その結果FR カットフィルターで光質を制御することで果実の形成時期が早くなる傾向が見られた。また,地上部の成長もメガクール処理区で促進されている傾向を見出すことができた。 (2)に関しては,ダイズにおいて菌根菌感染が促進される条件と阻害される条件でマイクロアレイをもちいて発現に変動がある遺伝子をリストアップすることができた。 (3)に関しては,R/FRの比を変化させてダイズの菌根菌感染を調査するとともに,収量調査の前段階として,ダイズ中のリン酸や窒素濃度を測定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)に関しては,FR カットフィルター(メガクール)で光質を制御して(太陽光中のFR は菌根菌感染を妨げる)トマトを栽培し,個体の成長や菌根菌感染に及ぼす影響を調査した。その結果FR カットフィルターで光質を制御することで果実の形成時期が早くなる傾向が見られた。また,地上部の成長もメガクール処理区で促進されたいる傾向を見出した。今年度も継続して研究を行う。 (2)に関しては,ダイズにおいて菌根菌感染が促進される条件と阻害される条件でマイクロアレイをもちいて発現に変動がある遺伝子をリストアップした。今年度は遺伝子発現量の確認を完了させ,光の影響によって発現が促進している遺伝子候補を選抜し,機能解析に取りかかる。 (3)に関しては,R/FRの比を変化させてダイズの菌根菌感染を調査するとともに,収量調査の前段階として,ダイズ中のリン酸や窒素濃度の測定を完了させ,収量調査をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終的な消耗品費が予定より1010円少なく済んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の消耗品費に組み入れて使用予定である。
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