研究課題/領域番号 |
26660051
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研究機関 | 独立行政法人農業環境技術研究所 |
研究代表者 |
和穎 朗太 独立行政法人農業環境技術研究所, その他部局等, 研究員 (80456748)
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研究分担者 |
橋本 洋平 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436899)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 土壌肥沃度 / 土壌化学 / リン / 炭素・リンの相互作用 / 物質循環 / 生物地球化学 / 物理分画 |
研究実績の概要 |
標高と母材が土壌リンの形態に及ぼす影響を、逐次抽出およびNaOH/EDTA抽出画分の31P-NMRから調べた。強風化土壌ではNaOH/EDTA抽出によるリンの回収率が低いため、抽出を繰り返すことで抽出率の向上を図った。31P-NMRの結果から標高の上昇(つまり気候条件の冷涼化)に伴い、エステル態Pの存在割合が高まる傾向が見られた。今後、母材の影響も含め、更に分析を進める。また、樹木がリン制限を受ける熱帯山地林土壌を対象に、異なる比重画分中のリンの形態についても31P-NMRにより分析を進めているが、解析途中である。
X線吸収微細構造(XAFS)分析によって、抽出による化学変性がない状態における土壌画分中のリン化学形態を明らかにすることに挑戦したが、熱帯の低リン土壌では十分がシグナルを得ることが難しかった。
土壌の物理分画法の改良を行い、団粒内のリン分布を調べるための団粒の分離・切断手法の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析が順調に進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
土壌リンの抽出および31P-NMR分析を、その他の土壌試料を対象に継続する。また、団粒構造内部のリンの分布、存在形態を明らかにすることに挑戦する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、イメージング質量分析を依頼分析で行う計画であったが、予算が足りず断念した。このための予算を次年度へ回した。
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次年度使用額の使用計画 |
イメージング分析装置を所有する研究者を見つけることができたので、繰り越した予算の一部はそこでの分析費用に充てる。残りは、その他の分析費用(放射性炭素分析等)に充てる。
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