2011年3月、福島第一原子力発電所の爆発事故によって大気中に放出された放射性物質は広範な環境汚染をもたらした。本研究では、被さい牛の放射性Csの糞便からの排出を検証し、微生物による生体からの効果的除染方法の基盤を確立することを目的とした。 被さい牛では放射性Csが種々の臓器および糞便から検出された。放射性Csの濃度は糞便で高かった。このことは腸内フローラ構成細菌が積極的に放射性Csを取り込んだためと考えられた。腸内フローラ構成細菌の放射性Csの取り込み率は38-81%と高かった。プロバイオティック細菌の取り込み率は低かったが、評価用培地のK濃度が関与すると考えられた。
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