金属キレート能を示す多糖アルギン酸を細胞内に取り込むSphingomonas属細菌A1株について、その細胞表層とアルギン酸結合タンパク質Algp7の構造と機能を解析した。アルギン酸カルシウムゲルに接着した細胞は、表層構造が窪んだ体腔を形成する。その窪みの深さは100 nm程度であり、体腔形成部位はその周囲と比較すると高電位である。Algp7は、レアメタル(Sm3+とTl3+)と結合し、Lys68とLys69による正電荷クラスターでアルギン酸と結合することが示唆される。以上の結果から、体腔の高電位が負電荷のアルギン酸の濃縮に機能し、Algp7を用いてレアメタルを回収できる可能性が示された。
|