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2014 年度 実施状況報告書

DNA分子起源の解明による生命分子起源の検証

研究課題

研究課題/領域番号 26660064
研究機関京都大学

研究代表者

小川 順  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70281102)

研究分担者 日比 慎  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (30432347)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード応用微生物 / 核酸 / 進化 / 発酵 / 酵素 / デオキシリボヌクレオシド / DNA / RNA
研究実績の概要

本研究では、deo経路による酵素的デオキシリボヌクレオシド(dNS)逆合成が生細胞内で行われる環境を見いだすべく、大腸菌をモデルとして、ribonucleotide reductase(NRD)機能が欠損した条件下にてdeo経路による酵素的dNS逆合成が機能するかどかの検証を試みる。本年度はその端緒として、大腸菌(BW38029株)が有する3種のNRD(nrdAB、nrdEF、nrdDG)のうち、必須遺伝子とはされていない2種のNRD (nrdEF、nrdDG)の破壊株の構築を行った。すなわち、nrdEF、nrdDGをコードする遺伝子を相同組換え法で破壊することで、二重遺伝子欠損株(ΔnrdEFΔnrdDG)を得た。続いて、ΔnrdEFΔnrdDG株を対象に、ゲノム上のdeo遺伝子を除去した三重遺伝子欠損株Δ3株(ΔnrdEFΔnrdDGΔdeo)を構築し、この三重遺伝子欠損株(Δ3株)にdeo遺伝子をプラスミドで導入することで、deo遺伝子の発現を人為的に制御できる株(Δ3/pBRdeo)を構築した。本Δ3/pBRdeo株において、deo遺伝子の人為的高発現のもと、必須遺伝子とされるnrdABの脱落が実現できれば、deo経路による酵素的デオキシリボヌクレオシド(dNS)逆合成が生細胞内で機能する可能性を示すことができると考えられた。そこで、アラビノース誘導性温度感受性発現ベクター(pKD46)に必須遺伝子であるnrdABをクローニングしΔ3/pBRdeo株に導入した株(Δ3/pBRdeo/ pKD46nrdAB)について、nrdAB誘導発現条件下(アラビノース含有培地)でのゲノム上のnrdABの破壊を試みた。破壊操作後、薬剤耐性を保持して生育可能な菌株が得られている。この菌株は、ゲノム上のnrdABが破壊された株(Δ3/pBRdeo/ pKD46nrdAB/ΔnrdAB)である可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定の、「deo経路による酵素的デオキシリボヌクレオシド(dNS)逆合成が生細胞内で行われる環境を見いだす」に関して、本年度予定した、「検証を可能とする形質転換体の取得」を完了した。次年度の検討に必要な材料(Δ3/pBRdeo/ pKD46nrdAB株)の作製が、確実に行えたと言える。

今後の研究の推進方策

本年度得られた形質転換株、すなわち、ゲノム上のnrdABの破壊が予想された株(Δ3/pBRdeo/ pKD46nrdAB/ΔnrdAB)を37℃にて培養することで、pKD46nrdABの脱落を誘導し、最終的に37℃にて生育した菌株におけるゲノム上のnrdABの破壊とpKD46nrdABの脱落を確認する。nrdABの破壊とpKD46nrdABの脱落が観察されれば、必須遺伝子nrdABの脱落をdeo遺伝子の高発現が相補したこととなり、当初の研究目的が達成される。nrdABの破壊とpKD46nrdABの脱落が観察されなかった場合は、依然nrdABの必須性が否定できないこととなるが、ゲノム上にnrdABを保持するΔ3/pBRdeo株を対象に、NRD阻害剤であるヒドロキシウレアを用いた培養条件の検討や、デオキシリボヌクレオシド基質の高濃度での供給を可能とする培地条件・代謝制御の検討を行い、外的要因との組み合わせによるNRD欠損状態の創出とdeo遺伝子高発現による相補の可能性を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] The Case for an Early Biological Origin of DNA2014

    • 著者名/発表者名
      Poole, A.M., N. Horinouchi, R.J. Catchpole, D. Si, M. Hibi, K. Tanaka, J. Ogawa
    • 雑誌名

      J. Mol. Evol.

      巻: 79 ページ: 204-212

    • DOI

      10.1007/s00239-014-9656-6

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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