長鎖多価不飽和脂肪酸の一種であるエイコサペンタエン酸(EPA)は、人の健康維持に必須の生理活性脂肪酸である。EPA は主に生体膜を構成するリン脂質のアシル鎖成分として存在し、生体膜の物理化学的特製を変化させることで周辺の膜タンパク質の機能を制御していると考えられている。本研究では、EPA 含有リン脂質と膜タンパク質の相互作用機構に着目し、EPA 生産性の特殊環境微生物 Shewanella livingstonensis Ac10 の EPA 生合成遺伝子破壊株の膜タンパク質生産能を解析した結果、EPA の欠損は特定の膜タンパク質の小胞分泌を促進することを見いだした。
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