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2015 年度 実績報告書

根粒菌のイノシトール合成が担う新たな環境適応機構の発見

研究課題

研究課題/領域番号 26660067
研究機関神戸大学

研究代表者

吉田 健一  神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20230732)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードSinorhizobium meliloti / myo-inositol / salt stress / osmotic stress
研究実績の概要

超好熱アーキアや一部の超好熱細菌においてイノシトール類であるジ-myo-イノシトール1,1'-リン酸がソリュートとして機能している例が報告されている(Chen, L. et al., J. Bactriol.180(15):3785-3792, 1998)。実際、アルファルファ根粒菌Sinorhizobium melilotiにおいてmyo-イノシトールリン酸合成酵素をコードするino1は塩ストレスで誘導されることが既に判明しており、生育温度の低い根粒菌においてもイノシトールが生産変換されて何らかのソリュートとして機能する可能性が示唆された。但し、同菌ではグルタミン酸、N-アセチルグルタミルグルタミンアミド、ベタイン、トレハロースなどの他のソリュートが存在するため、その効果がマスクされてしまう可能性がある。
H26年度に、S. melilotiにおいてino1およびN-アセチルグルタミルグルタミンアミド、ベタイン、トレハロースの生産にかかわる遺伝子群を複数組み合わせた多重変異株のラインアップを調え、それら変異株の耐塩性等の形質変化を検討し、やはりino1が多少の耐性獲得にかかわることを示唆する結果を得ていた。しかし、この貢献度は決して大きなものとは言えず、極わずかに補助的な意義しか持たないことも確かめられた。
そこで、H27年度はino1の欠失に代えて逆にこれを過剰発現させて耐性の増強が見られるか否か検討を試みた。この過剰発現に必要な遺伝子操作を何度も繰り返し試みたが、未だ目的とする変異株を取得することができなかった。全く予期しなかったことではあるが、ino1の過剰発現が細胞維持に対して毒性を持つ可能性が考えられる。
いずれにせよ、S. melilotiにはmyo-イノシトールリン酸の合成系が存在し、またそれが塩ストレスに応じて誘導されること、さらに部分的とはいえ耐塩性獲得に関与していることを示すことができた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] scyllo-Inositol, a Therapeutic Agent for Alzheimer’s Disease2015

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, K., Takenaka, S., and Yoshida, K.
    • 雑誌名

      Austin J Clin Neurol

      巻: 2 ページ: 1040

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Enhanced secretion of natto phytase by Bacillus subtilis2015

    • 著者名/発表者名
      Tsuji, S., Tanaka, K., Takenaka, S., and Yoshida, K.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem

      巻: 79 ページ: 1906-1914

    • DOI

      doi: 10.1080/09168451

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Geobacillus kaustophilus HTA426のIolEホモログの機能解析2016

    • 著者名/発表者名
      岡田 大、白江雄介、田中耕生、竹中慎治、吉田健一
    • 学会等名
      日本農芸化学会2016年度大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道、札幌市)
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-30
  • [学会発表] 枯草菌のリンゴ酸酵素遺伝子ytsJおよび6ホスホグルコン酸脱水素酵素遺伝 子gndAの調節因子の探索2016

    • 著者名/発表者名
      夏目文音、田中耕生、竹中慎治、吉田健一
    • 学会等名
      日本農芸化学会2016年度大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道、札幌市)
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-30
  • [学会発表] Bradyrhizobium japonicum のPHB 蓄積に関わるファジン遺伝子の解析2015

    • 著者名/発表者名
      西畑省吾, 田中耕生, 竹中慎治, 吉田健一
    • 学会等名
      第67回日本生物工学会大会(2015)
    • 発表場所
      城山観光ホテル(鹿児島県、鹿児島市)
    • 年月日
      2015-10-26 – 2015-10-28

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公開日: 2017-01-06  

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