乳酸菌は与えた糖の半分以上を乳酸に変換する微生物と定義されるが、乳酸菌による乳酸生産は高密度培養を困難にし、有用物質生産の効率化を妨げる。固体培養を中心に、乳酸菌の乳酸生産を抑制する培養条件を探索した結果、ある天然物を培地に用いると、菌体あたりの乳酸生産量が乳酸菌の標準的な培地であるMRS培地でのそれに比べて約1/10に低下することを見出した。この現象はLactococcus属、Lactobacillus属の乳酸菌で認められ、天然物の熱水抽出液で培養した場合にも認められている。現在、メタボローム解析などでその機構を調べている。
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